過去問解説

胎児の心臓と血液循環|2017年 サレジオ学院中学校 大問3

胎児の心臓と血液循環について

お腹の中にいる赤ちゃんは、へその緒を通してお母さんから栄養や酸素を受け取っています。そのとき、赤ちゃんの血液はどのようにして体内を流れているのでしょうか?

2017年のサレジオ学院中学校では、胎児(赤ちゃん)の心臓と血液循環に関する問題が出題されました。

母親の体内で育っている胎児(たいじ)の心臓のつくりや血管のつながり方には、誕生後のヒトとは違う特ちょうがあります。胎児の心臓では右心ぼうと左心ぼうの間に卵円孔(らんえんこう)という穴があってつながっています。また、右心室と左心室から出ている血管は動脈間(どうみゃくかん)という血管でつながっています。図2は、胎児の血管のつながり方や母親の血管の一部を模式的に示したものです。

Aはへそのおの血管を、Bは胎ばんを、Cは母親の血管の一部を示しています。
胎児の血液の流れについて述べた次のア〜エのうち、最も適当なものを1つ選び、記号で答えなさい。

ア: 動脈管や卵円孔があることによって、胎児は肺への血液循環量が増加するので、胎ばんで受け取る酸素の量を減らすことができる。
イ: 動脈管や卵円孔があることによって、胎児は肺への血液循環量が減少するので、胎ばんで受け取った酸素を効率よく全身へ供給することができない。
ウ: 動脈管や卵円孔があることによって、胎児は肺への血液循環量が増加するので、胎ばんで受け取った酸素を効率よく全身へ供給することができる。
エ: 動脈管や卵円孔があることによって、胎児は肺への血液循環量が減少するので、胎ばんで受け取った酸素を効率よく全身へ供給することができる。

解説動画

まずは解説動画をご覧ください。

この問題のポイント

心臓と血液循環の模式図は、中学受験でもよく出題されるトピックです。右心室からでた動脈が肺に入り、酸素を多く含むきれいな血液が左心房に入っていくという一連の流れは、多くの受験生が理解していると思います。

この問題では胎児の血液循環という、一風かわった話題が聞かれています。

赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるときは肺呼吸をしていません。したがって肺はぺっちゃんこになっています。

そのかわりに、酸素は胎盤をとおしてお母さんの血液からもらっています。

(解説動画では、お母さんの血液が赤ちゃんの血液と混ざるような説明になっていますが、実際には血液がそのまま混ざるわけではありません。このため、お母さんと赤ちゃんの血液型が違っても安全なのです)

お母さんからもらった酸素を含むきれいな血液は、肺には入らずに、卵円孔や動脈管といった穴や管をとおして、全身へと行き渡るのです。

ちなみに卵円孔や動脈管は、赤ちゃんが生まれて肺呼吸を始めるようになると自然となくなります。まさに生命の神秘といったところですね。

少し難し問題でしたが、与えられた選択肢を注意深く読めば解答できると思います。

この機会にぜひ、赤ちゃんの血液循環についても知識をつけておくと良いでしょう。