過去問解説

物質の性質|2017年 慶應義塾普通部 大問1

物質の性質を知っておこう

中学受験の理科では、塩酸やアンモニア水などといった、普段はあまり馴染みのない物質の性質を聞かれることがあります。

一方で身の回りにある身近な物についても、その性質について聞かれることがあります。2017年の慶応普通部の問題を見てみましょう。

問題 5つの液A〜Eについて、次の問いに答えなさい。

A アルコール
B うすい過酸化水素水
C 食塩水
D 食酢
E 灯油(石油)

問1 次のア〜オにあてはまる液をA~Eから1つ選び、それぞれ記号で答えなさい。あてはまるものがなければ、✕を書きなさい。

ア じかに火をつけると燃える。
イ 紙に吸わせてから火をつけると、すすを出しながら燃える。
ウ 黄色がかった色をしている。
エ 長い間置くと白い固体が残る。
オ アルカリ性のにごった液である。

問2 次のカ〜コにあてはまる液をA~Eからすべて選び、それぞれ記号で答えなさい。あてはまるものがなければ、✕を書きなさい。

カ アルコールランプに使う。
キ 中の液が赤い温度計に使う。
ク 消毒薬に使う。
ケ サイダーやコーラに使う。
コ 暖房器具にさかんに使われていた。

解説動画

まずは問1の解説です。

つづいて問2の解説です。

この問題のポイント

選択肢の中に「食酢」や「灯油」といった、日常生活に馴染みのある名前が出てきています。こうした物質の性質について聞かれると、かえって戸惑ってしまうかも知れません。

まず問1ですが、イの選択肢が少し難しいですね。灯油は燃えやすい性質がありますが、実は直接火をつけようとしても発火しません。これは「引火点」という温度がアルコールなどと比べて比較的高いためです。

一方でアルコールはじかに火をつけると燃えだします。アルコールランプをイメージするとわかりやすいでしょう。ランプの芯は燃えてはおらず、アルコールが直接燃えていますね。

問1は選択肢は一つしか選べませんから、アが分かればイも解けるでしょう。

一方で問2は選択肢をすべて選び出す問題ですから、難易度は上がります。

選択肢の中で難しいのは、キの温度計の問題と、クの消毒薬でしょう。

温度計には水銀を使うものと、赤い液体が入ったものがあります。この赤い液体の中身ですが、アルコールと教わることも多いと思います。アルコールが入っていることもあるようですが、実際には石油系の液体が入っていることがほとんどだそうです。これは知らなければ解けませんね。

クの消毒薬ですが、うすい過酸化水素水はオキシドールとして使われています。またアルコールの一種であるエタノールも、水と混ぜて使用することで殺菌や消毒などに使われます。注射をされるまえに皮膚に塗られてスーッとする感覚を思い出しましょう。あそこで塗られているのがエタノールです。

というわけで、この問題は身近にあるものの性質を普段からどれだけ知っているかどうかが試される問題でした。慶応らしいユニークな出題だと思います。